Press Release
プレスリリース
蓄電システムの安全性向上とシステムコスト削減を両立
産業機器向け バッテリ監視IC 新製品の量産を開始
2025年2月12日
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社は、産業用48V向け17セル対応のバッテリ監視IC新製品 「KA49701A」、「KA49702A」 の量産を2025年4月から順次開始します。本製品は、蓄電システムの安全性を向上しつつ、シンプルなシステム構築を実現します。
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本製品による効果
- バッテリ監視IC内部に故障診断機能[1]とフェイルセーフ機能[2]を搭載することで、外部保護回路なしで安全なシステム構築が可能。バッテリマネジメントシステム(BMS)の安全性向上とシステムコスト削減に貢献
- 業界最高水準※1の電圧測定精度+/-2.9mVを実現し、バッテリ容量のより効率的な活用が可能
- 動作時の消費電流を削減し、バッテリの長時間駆動を実現。また、シャットダウン時の消費電流も削減することで、自己放電を最小限に抑え、電池パックの長距離輸送および長期保管が可能
※1) 2025年2月現在、当社調べ 産業向けバッテリ監視IC業界において
再生可能エネルギーの導入拡大や生成AIの普及に伴うデータセンタの整備・拡大が進む中、電力の安定供給を担う蓄電システムは、電池の大容量化・高出力化が求められています。そこで、従来の鉛蓄電池に代わり、小型・軽量でエネルギー密度の高いリチウムイオン電池への置き換えが加速しています。しかし、リチウムイオン電池は鉛電池に比べて高価であり、また発火防止へのシステム構築が必要となるため、製造コストの増加が課題となっています。
この課題に対し、当社が長年培ってきた車載電池制御技術を活かし、故障診断機能とフェイルセーフ機能を搭載した「48V産業機器向けバッテリ監視IC」を開発しました。本製品により、リチウムイオン電池を搭載した蓄電システムの安全性向上とシステムコスト削減の両立を実現します。また、業界最高水準である電圧測定精度+/-2.9mV、動作時・シャットダウン時の低消費電力化(当社従来比1/10)により、バッテリ容量を最大限活用することが可能になります。
・商品の詳細はこちら
https://www.nuvoton.com/products/battery-management/battery-monitoring-ics/non-stackable/当社新製品の特長
- バッテリ監視IC内部に故障診断機能とフェイルセーフ機能を搭載することで、外部保護回路なしで安全なシステム構築が可能。バッテリマネジメントシステム(BMS)の安全性向上とシステムコスト削減に貢献
- 業界最高水準※1の電圧測定精度+/-2.9mVを実現し、バッテリ容量のより効率的な活用が可能
- 動作時の消費電流を削減し、バッテリの長時間駆動を実現。また、シャットダウン時の消費電流も削減することで、自己放電を最小限に抑え、電池パックの長距離輸送および長期保管が可能
バッテリ監視ICは、バッテリの過充電・過放電等の異常時に、システムを安全な方向に動作させる役割を担います。一方で、バッテリ監視ICのADコンバータやマルチプレクサなどのセル電圧計測を行う主要回路が故障した場合に備え、外部保護回路でシステムの安全性を確保する必要があります。しかし、基板面積とシステムコストが増加するという課題が伴います。
本製品はIC内部の主要回路に故障診断機能とフェイルセーフ機能を搭載しました。この故障診断機能が主要回路の故障を検知し、遮断スイッチを制御することが可能なため、BMSの安全性向上とシステムコスト削減の両立を実現できます。
16ビットADコンバータの低ノイズ化とデジタルフィルタの搭載により、業界最高水準となる電圧測定精度+/-2.9mVを実現しました。電圧測定精度を向上することで、バッテリ容量をより効率的に活用できます。さらに、広い温度範囲で高精度な電圧測定を実現しました。本製品は、中国国家標準規格※2に準拠した定置用蓄電システムなど、低温・高温環境で、高い電圧測定精度が求められるアプリケーションにも適しています。
※2) GB/T34131-2023, システムで±5mV以下@-20~65℃
電力消費が大きいセル電圧測定時間を短縮することで、動作時電流を当社従来比1/10以下の260μAを実現しました。これにより、バッテリの長時間駆動を可能にします。また、回路設計の最適化により、シャットダウン時の消費電流を0.1μA 以下に抑えました。当社ICを使用することで自己放電を最小限にし、リチウムイオン電池を長距離輸送および長期保管する際に、電池の過放電による劣化を防ぐことが可能です。
用途
蓄電システム(Energy Storage System)、データセンタのバックアップ電源、自動搬送ロボット、電動自転車、ドローンなど
対象品番
産業機器向けバッテリ監視IC
KA49701A、KA49702A
仕様
品番 | KA49701A | KA49702A |
---|---|---|
充放電制御方式 | ローサイド・スイッチ | ハイサイド・スイッチ |
最大接続セル数 | 17セル | |
定格電圧 | 85V | |
電圧測定精度 | +/- 2.9mV | |
電流測定精度 | +/- 1.0% | |
消費電流(動作時) | 260μA | |
消費電流(シャットダウン) | 0.1μA以下 | |
パッケージ | QFP-48pin(7mm x 7mm) |
お問い合わせ先
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社
(報道内容)
デジタルマーケティング部 PR・コミュニケーション課
NTCJ_PR@nuvoton.com
(技術内容)
バッテリー・アナログソリューションビジネスグループ マーケティング部
NTCJ_mkt_Battery_Analog@nuvoton.com
用語説明
- [1] 故障診断機能
- [2] フェイルセーフ機能
IC内部の機能を常に監視して、IC自身の故障を通知すること
異常発生時に、システムを安全な方向に動作させ、リスクを低減させること
ヌヴォトン テクノロジージャパンについて
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社(Nuvoton Technology Corporation Japan)は、2020年にNuvoton Groupに加わりました。NTCJは、世界的な半導体専門メーカーとして、設立以来60年超にわたって培われてきた技術とさまざまな製品、およびそれらを最適に組み合わせた空間センシングソリューションと電池応用ソリューションを提供しています。 お客様やパートナーとの関係を大切にし、期待以上の付加価値を提供することで、社会、産業、人々の生活のさまざまな問題を解決するグローバルソリューション企業として活動しています。 詳細はhttps://www.nuvoton.co.jpをご参照ください。
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