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Press Release

プレスリリース

リチウムイオン電池の安全性向上に向けて

産総研との共同研究「バッテリ内部の温度推定技術」に関する
成果発表

2025年12月5日

ヌヴォトンテクノロジー(以下、当社)は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)電池技術研究部門との共同研究「バッテリ内部の温度推定技術」に関して、第66回電池討論会にて成果発表いたしました。
本研究では、リチウムイオン二次電池(LIB)を対象に、異なる充電状態および温度条件下で取得した電気化学インピーダンス測定(EIS)データをもとに、等価回路モデルへのフィッティングを行い、温度推定アルゴリズムを構築し、LIB内部の温度推定の妥当性を検証しました。この技術により、LIBの安全性を高めることが期待できます。

【学会発表テーマ】
「温度相関のあるインピーダンス成分の特定と温度推定方法に関する研究1)
出典:1)第66回電池討論会 リチウムイオン電池(安全・評価)セッション 2MH06において発表

現在、LIBは電動車や蓄電システムなど、脱炭素社会の実現に向けた基幹部品として急速に普及しています。一方でLIBに起因する発火事故が増加しています。これはLIBが高エネルギー密度を有する構造上、過充電や過放電により電池内部温度が急激に上昇し、熱暴走とよばれる危険な状態に陥るためです。
そのため、LIBを安全に利用するためには、LIBの内部温度をリアルタイムかつ高精度に監視し、異常兆候を検知して事故を未然に防ぐ技術の確立が求められています。

当社は産総研と共同でLIBの内部温度を正確に把握するために、異なる充電状態および温度条件下で取得した電気化学インピーダンス測定(EIS)データをもとに、等価回路モデルへのフィッティングを行い、モデルパラメータと温度との相関性を評価しました。この相関性に基づいて温度推定アルゴリズムを構築し、温度推定の妥当性を検証しました。
本技術により、バッテリパック状態での内部温度を高精度かつリアルタイムに監視することが可能となり、熱暴走の予兆検知に応用することで電動車や産業用蓄電池の安全運用と社会実装の促進への貢献が期待されます。

昨年、当社は産総研との共同研究の成果として、EISデータを用いた電池のSOH(State of Health)推定技術を電気化学会にて発表しており、今回の発表はその発展的取り組みになります。
昨年の発表内容については、以下のプレスリリースをご参照ください。
プレスリリース:「産総研との電池診断技術に関する共同研究の成果報告」

今後も当社は、産総研との電気化学的データを活用したLIBの内部インピーダンスと温度推定に関する共同研究を通じて、次世代バッテリ監視ICへの応用を目指し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献していきます。

ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社 について

ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社(Nuvoton Technology Corporation Japan)は、2020年にNuvoton Groupに加わりました。NTCJは、世界的な半導体専門メーカーとして、設立以来60年超にわたって培われてきた技術とさまざまな製品、およびそれらを最適に組み合わせた空間センシングソリューションと電池応用ソリューションを提供しています。 お客様やパートナーとの関係を大切にし、期待以上の付加価値を提供することで、社会、産業、人々の生活のさまざまな問題を解決するグローバルソリューション企業として活動しています。 詳細については、https://www.nuvoton.co.jp/をご参照ください。

お問い合せ先

ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社

(報道内容)

デジタルマーケティング部 PR・コミュニケーション課
NTCJ_PR@nuvoton.com

(技術内容)

バッテリー・オートモーティブビジネスグループ マーケティング部
NTCJ_mkt_Battery_Analog@nuvoton.com

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